データ活用で、根拠を持った「攻め」の施設運営を実現
長井海の手公園ソレイユの丘様
- テーマパーク

関東随一の規模を誇る横須賀の大型エンターテインメントパーク「長井海の手公園ソレイユの丘」では、観光DXサービスNutmegを導入。データ活用に基づいた運営で券売機の行列削減や売上向上を実現しました。本記事では、その導入背景から成果までをご紹介します。
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ご協力企業
長井海の手公園ソレイユの丘
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事業内容
神奈川県横須賀市の複合型エンターテインメントパーク「長井海の手公園ソレイユの丘」を運営。遊園地、動物ふれあい、キャンプ、温浴、飲食・物販を備え、年間100万人以上が来場する地域最大級の観光施設。
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施設URL
https://soleil-park.jp/
本記事のサマリ
導入の背景
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データに基づいた集客施策の精度向上
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券売機混雑による顧客体験低下の解消
導入の決め手と解決策
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予約サイト上でタビマエにおける商品の魅力アピール
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事前決済の導入
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顧客データや販売データの可視化による需要予測
導入後の成果
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WEBでの回数券購入率が9割を超え、購入単価が大幅向上
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券売機の行列が1/3〜1/4に減少
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販売状況把握による運営最適化、新規マーケティング施策の成功
1.導入の課題は「データ活用」と「事前決済導入」
―― Nutmeg導入前の当時、お持ちだった課題感は何ですか。
データをもとに集客を強化したい、というのが一番の課題でした。
弊社では「ソレイユの丘」のようなエンタメ施設の運営自体が初めてだったため、集客のノウハウも少なく、手探りの状態でした。データを使えば、お客様の属性や行動に沿って施策の精度を上げることができますので、データ取得は今後の施設運営にマストだと考えていました。
お客様の利便性を高めるために「事前購入・事前決済」を取り入れたい、という点も課題でした。
以前のソレイユの丘では券売機に長蛇の列ができるのが当たり前で、入園時間と同時にお客様が走って券売機に並ぶような状況でしたので、なんとか解消したいと考えていました。
もちろん当施設がある横須賀という土地柄、天候に左右されやすく、当日にならないと来園の決断ができないお客様もいらっしゃいます。それでも事前に来たいと思ってくださるお客様に、WEBを通して少しでもメリットをご提供したいという思いもございました。
―― Nutmegに出会う前、WEBで何か取り組みはされていましたか。また、WEB販売という選択肢にはどのようにたどり着いたのですか。
当時は公式LINEを活用し、WEB販売もLINEで行っていました。
しかし事前決済はできても、WEB上でチケット交換ができず、来園時に紙のチケットと交換をいただくため、交換列ができてしまいました。そのため、事前決済からチケット表示・消し込みまでをスムーズに行える予約システムが必要だと考えておりました。
―― Nutmegの導入の決め手になったポイントを教えてください。
「お客様のデータを自社で管理・活用できる」という点が最大の決め手でした。
OTAなどですとデータが自社のものにならず活用にも制約があります。データは自社にとっての重要な資産ですので、自社でデータを活用できるか否かという点は一番の譲れないポイントでした。
サポート体制も決め手になりました。担当者からマーケティング視点で、今後の施設の未来像を含めた提案をしてもらえ、自社で描いている方向性と合致していると感じました。
2.事前連絡網の整備で1ヶ月のスピード導入を実現
―― 導入決定から運用開始までにはどれくらいの期間がかかりましたか。
導入決定から利用開始までは約1ヶ月でした。
オンライン対応用にアトラクションの時間枠を移行したり、スタッフのオペレーションを少し変更したり、といった細かな調整は発生しましたが、春休みの繁忙期に間に合わせたいという明確な期日があったため、現場を巻き込んで一気に進めました。
結果として特に大きなトラブルもなく、導入はスムーズでした。
―― 導入にあたり、現場スタッフへの対応など工夫されたことはありますか。
前提として、当施設には100人を超える現場スタッフがおります。このため、全員に手厚く事前のレクチャーを実施するには限界がありました。
トラブルを0%にするのではなく、万一トラブルが起きた際にすぐ本部に連絡できるよう連絡網を整備するなど、トラブルが一定程度発生する前提でのオペレーションを組むことを心がけていました。
もちろん事前準備として、現場のスタッフにもなるべくわかりやすいオペレーションを構築し、オンライン受付による現場負荷が極力ないように調整を進めました。
3.WEBでタビマエのアピールを強化し、価格3倍の高単価商品がWEB売上No.1に
―― Nutmeg導入によりどのような成果を実感されていますか。
売上として前年比150%を記録しました。
―― 目覚ましい成果ですね!Nutmeg導入で売上が上がった要因はなんだとお考えですか。
まず売上観点では、購入単価が目に見えて向上しました。
当初券売機では12枚回数券のみを販売していましたが、WEBでは36枚などより多めの回数券セットを販売しました。これが想像以上に反響があり、現在は12枚セットを超え、36枚セットが一番の売れ筋商品になっています。
また、そもそもの回数券自体の売れ行きも伸びました。これまでは単品チケットの購入も一定数ありましたが、WEB上では9割以上が回数券での売上となりました。
また、券売機に並ぶ列が極端に減りました。従来の3分の1から4分の1くらいになったのではと思います。
―― 売れ筋の回数券が12枚から36枚になったのは、確かに大きな変化ですね!なぜWEB販売で変化をもたらせたと思いますか。
WEBを通して、購入前のお客様に回数券のお得さを直接アピールできたのが大きかったと考えます。
現地での券売機購入ですと、事前に回数券の存在を知っているお客様なら迷わず回数券を購入しますが、知らないお客様は長蛇の列で「早く決めなければ」という焦りもあり、とりあえず乗りたい単品券を買う、という状況になっていたかもしれません。また、枚数の多い回数券を買うことに抵抗もあると思います。
Nutmegならカスタムページ機能で自由にWEBページを作成できますので、お客様に購入障壁を減らすために、予約サイト上で「回数券を余らせないための使い方」「枚数別アトラクション」などのコンテンツを整備しました。お客様は購入直前に十分な事前情報を得ることができ、安心して枚数の多い回数券を購入できるようになったのではと思います。
4.お客様の属性・購買データでマーケティングや現場配置に「根拠」が生まれた
―― 当初課題とされていたデータの観点では、どのようなご感想を持っていますか。
会員登録から購入までの一連の流れでデータ取得をすることで、根拠をもってマーケティングができるようになったと感じます。
例えば広告ひとつをとっても、特定エリアからのお客様が多いことがわかった場合、当該エリアを狙って広告出稿するなどの具体的なアクションにつながりました。
新商品やイベントの企画でも、新規のお客様の割合や属性情報をWEBデータとして確認できるので、評価・改善が行いやすくなりました。
例えば、当施設ではファミリー層の来園者が大半を占めますが、あるイベントでは10-20代という新しい層のお客様を獲得できたことが会員データを通して明確に把握でき、今後の集客の新しい展開の糸口になりました。
―― データを通し、マーケティング以外にメリットを感じた内容はありますか。
WEBで事前購入を促すことで、当日の動員予測ができるようになったことが大きかったです。
例えばイベントの場合、これまでは当日のお客様の反応を待つしかなく事後的な反応計測になりがちだったのですが、WEB限定事前販売としてWEBに予約を集約し、販売状況を事前に把握することで、SNSやHPで告知内容を変えるなど集客対策を打ったり、当日の人員配置を効率化したりと、事前に手を打てることが大きく増えました。
5.WEBにお客様を集めることが販促メリットにもつながった
―― WEB施策実施の際に心がけているポイントはありますか。
例えば紙媒体などであっても極力WEBに誘導してデータを把握する、という点は心がけています。
Nutmegには、商品ページを表に出さず閲覧経路を絞るシークレット商品機能があります。このシークレット商品機能で特別商品を作成し、広告やチラシ独自のQRコードからのみ特別商品に飛べるようにしました。
これにより、広告がどれくらい見られているか、最終的な購入数はどれくらいあるか、どのようなお客様が購入しているか、など、データを通した広告効果への評価ができるようになりました。
反応と実際の購入との紐付けができ、施策の評価がしやすくなった点は、WEBチケットならではの利点だと思っています。
―― WEBの活用がかなり定着していらっしゃる印象ですが、WEB定着後新たに行われて成果が出たことはありますか。
WEBで新商品を積極的に出し、市場の反応を見るということは心がけており、成果につながっています。
現在も期間限定で販売中の「エクストリームパス」は、主に平日限定の商品です。平日や閑散期は弊社でも課題になる期間でして、当初は実験的にスタートしましたが、今や回数券に追いつくほどの人気商品です。
WEBが定着したからこそ新商品の存在をいち早くお客様にお伝えしやすくなり、効果検証に必要な期間も短くなったと感じます。
6.今後は「地域のハブになる施設」を目指し、WEBでお客様との関係を強化していきたい
―― WEB限定商品の販売やデータ活用が定着してきた今、これからのWEB販売における展望や事業上の目標はありますか。
ファンマーケティングやコミュニティマーケティングの基盤作りに注力していきたいです。
ソレイユの丘は単なるエンターテイメント施設ではなく、地域の交流施設という存在意義を持っています。このため、1施設としてはもちろん、広域での地域連携・事業者連携を促進するハブになり、横須賀を地域として盛り上げていきたいと考えています。そのために、地域の方やソレイユのファンを「関係人口」として集めるような会員基盤の強化を重視しています。
―― 最後に、Nutmegサポートチームへのご感想をお聞かせください。
マーケティングデータによる定量的な分析を含めてお世話になっています。
当社からはよりよくWEB化を促していきたいという観点で、色々と質問や要望などお伝えさせていただくことも多いのですが、フレキシブルに返答・提案をいただける点もありがたいと思っています。
今後は事業戦略や経営企画に関わる部分含め、より包括的にタッグを組ませていただきたいです。
―― 貴社のWEBにおける新たなチャレンジについても、今後とも広くお役に立てますと幸いです!インタビューへのご協力、ありがとうございました。
観光施設の集客最大化には、「盤石な自社予約システム」が最重要
ソレイユの丘は、Nutmegの様々な機能を駆使し、WEBで新しい取り組みを次々と行っている施設様ですが、同時に顧客体験を非常に重視し、自施設にあったWEB活用を常に考えながら運営にあたっていらっしゃる点が改めて印象的でした。
「WEBを通して売上に寄与する具体的な解決策を探している」「WEB活用で顧客体験を向上したい」
そんなお悩みをお持ちの事業者さまは、今すぐNutmegへご相談ください。
豊富な経験を持つサポートチームがご相談に乗らせていただきます。