電話予約40%削減と「若年層の獲得」を両立。Nutmegと実現した"選ばれる"観光船への挑戦

大阪水上バス株式会社様

  • 観光船
WEB予約率92%への改革で売上前年比1.5倍を達成

大阪城や中之島を巡る観光船「アクアライナー」を運航する大阪水上バス株式会社では、観光DXサービスNutmegを導入しました。電話予約が約9割を占めていた予約管理業務をWEB化し、電話対応の約40%削減と顧客体験の向上を実現しました。本記事では、その導入の背景から、「攻めの販売手法」を見据える未来までをご紹介します。

  • ご協力企業

    大阪水上バス株式会社

  • 事業内容

    大阪を拠点に観光船「アクアライナー」「アクアmini」「ひまわり」「サンタマリア」などを運航。水都大阪の名所を巡る周遊船や帆船型観光船など多彩なクルーズを展開し、訪日観光客や国内旅行者に人気を集める。

  • 施設URL

    https://suijo-bus.osaka/

本記事のサマリ

導入の背景

  • 予約の8〜9割が電話で、変更・キャンセル対応も全て電話で行っていた

  • 旧システムでは、事前予約が増えるほど管理工数が膨らむジレンマがあった

  • 座席シールの手貼りなど、アナログな運用が限界を迎えていた

導入の決め手と解決策

  • 複数商品の在庫を一元管理でき、混載設定などが可能なシステムを導入

  • 自社で自由に・スピーディーに販売ページを作成できる高い更新性

  • お客様自身での予約変更・キャンセルを可能にし、電話対応を削減

導入後の成果

  • 予約センターの電話対応件数が約40%削減、予約の取り逃しも減少

  • 「イベントクルーズ」の実施で、ファミリー層や若年層の集客に成功

  • スタッフの意識が変化し、WEBを活用した積極的な情報発信が定着

  • レビュー機能が「海」と「陸」の共通言語となり、組織の分断を解消

1.電話予約が8割──「変えたいけれど、どう変えればいいかわからなかった」

―― Nutmeg導入前はどのような課題をお持ちでしたか?

人手不足や時代の変化から、WEB活用を強化したいという思いはありました。

当時は一応WEB予約システムを導入していたのですが、電話予約が8~9割程度を占め、WEB予約はほとんどありませんでした。お客様の多くが60〜80代で「直接話したい」という要望も多く、なかなかWEB強化に踏み切れなかったのも一因です。また当時のWEBシステムでは予約変更が行えず、結局電話で問合せがきてしまう状況でした。

一方、現場では「アナログ作業の限界」を感じていました。特に座席指定の船では、当日カウンターでスタッフが「座席シール」をチケットに一枚一枚手貼りしており、これが本当に大変でした。事前予約を増やすとさらに管理が煩雑になるため、逆に「事前予約は増やしたくない」というのが当時現場が持っていた本音でした。

これ以上どのようにWEB化を進めてよいかわからない。そんな時に出会ったのがNutmegでした。

2.決め手は「複数商品の在庫一元管理」と「現場が使える柔軟さ」

―― 多くのシステムがある中で、Nutmegを選んだ決め手は何でしたか?

決め手は、複数商品の在庫一元管理ができる点と、現場で柔軟に使用できる点です。

複数商品に分かれていても、同じ船であれば予約を一元管理できるので、在庫管理がWEBでも楽に行えました。
また、お客様自身で予約変更・キャンセルが容易にできることもポイントでした。

そして何より、「自分たちで自由に販売ページを作れる」ことで、商品作成から販売開始までのタイムラインが短いことが魅力でした。設定可能な商品設定の幅が広いため、企画した内容をすぐに実施・検証できる。これなら今までやりたかった企画面のアイデアが簡単に実現できると感じました。

正直、導入当初は機能が色々ありすぎて、我々が使いこなせるかという不安は少しだけありましたが(笑)。

3.導入から半年、現場に“新しい当たり前”が根づく──スタッフの「意識改革」とスキルアップ

―― 導入後、現場の意識に変化はありましたか?

導入当初は旧システムからの乗り換えだったので、新旧システムを並行して運用するのに少し苦労しましたが、操作に慣れるにつれ、現場の意識は大きく変化しました。

例えば、運行の情報は現地案内する前提でいましたが、今はWEBで「情報を事前に見てもらおう」という意識に変わりました。商品情報の管理・更新なども、今ではスタッフが自ら行っています。結果的にスタッフにとっても、デジタル活用に対する自信とスキルアップに繋がったと思います。

4.成果①:電話対応は約40%削減。予約の取り逃しも減った

―― 具体的にどのような成果が得られましたか?

もっとも効果が大きかったのは、電話対応の削減です。予約センターの電話数が体感で約40%削減されました。今も残っている電話の50%以上は道案内やクルーズについての質問で、特に予約目的の電話は減ったと感じています。また、あわせて電話対応時間も短くなっているため、予約の取り逃しも減り、単に工数削減というよりも「余裕」ができたことでスタッフが前向きになりました。

5.成果②:季節のクルーズ企画で、ファミリー層の新規来場が増加

―― 企画面ではどのような変化がありましたか?

現場の負担軽減と並行して、ずっと抱えていた顧客の高齢化と若年層への認知不足という課題にも向き合えるようになりました。
特にNutmegさんからの「イベントクルーズ」の提案がきっかけとなり、思いついた企画を即座に作成・販売開始できるという「更新性の高さ」を活かして、次々と新しい企画を試すことができました。
結果として、WEBの活性化によりファミリー層や若年層の集客にも成功しましたし、季節ごとに訴求を変えて販売することで、同じコースでも「また乗りたい」と思ってもらえるんだ、という手応えを感じています。
長年挑戦したかった、「アクアライナーをまた乗りたいと思ってもらえる船にする」という目標の達成に、一歩近づくことができたと思います。

6.成果③:データが“海と陸”の共通言語に。組織の分断を埋めたレビュー機能

―― その他に、組織として感じている効果はありますか?

Nutmegの情報やデータが「海(現場)」と「陸(事務所)」の共通言語になったことです。
これまでは全く別の業務をする現場と事務所とで、たびたび認識のズレが発生することもありましたが、Nutmeg導入後は同じデータや画面を見て業務をしますので、共通の認識を持って会話できるようになりました。

特にNutmegのレビュー機能を活用しています。
Nutmegのレビュー機能で取得するのは、実際に乗船したお客様からの、いわば「本当のご意見」です。社内ではこれらのレビューを月1回全社で共有しています。お客様の言葉が全社員のモチベーションや、サービス改善の源になっています。

大阪水上バスのレビュー画面

7.DXの先に見据える、“攻めの販売”への転換

―― Nutmegへのご感想と、今後の展望をお聞かせください。

Nutmeg導入により、集客への概念が変わりました。以前は当日に汗をかいて集客することが美徳でしたが、これからは事前に情報を届け、予約時点で「選ばれる船」になりたいと考えています。

今後は、ホテル経由の予約やニュースレター配信など、事前接点を増やす「攻めの販売」を検討中です。Eチケットを活用したダイレクト乗船への挑戦も始まっています。

Nutmegは、集客手法や概念にはなくてはならない存在です。「攻めの営業ができるツール」として、これからも一緒に選ばれる観光船をつくっていきたい、最大のパートナーですね。


DXは“現場の人”を主役にするためのもの

大阪水上バスは観光特化かつ柔軟なWEBシステムを活用し、「電話対応約40%削減」「新たな顧客層の獲得」という成果を実現しました。

現在も次々とNutmegの活用領域を広げてくださっています。 Nutmegを通し、単なる業務効率化だけでなく、「現場の人が前向きに動ける環境づくり」を実現し、「攻め」の姿勢で選ばれる観光船を目指していらっしゃる点が非常に印象的でした。

「電話予約中心の業務を改善したい」「現場の工数を減らして新たな施策に時間を使いたい」そんなお悩みをお持ちの事業者さまは、今すぐNutmegへご相談ください。 豊富な経験を持つサポートチームがご相談に乗らせていただきます。
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